今日からぼくは

一歩ずつ一歩ずつ

居場所がない

ぼくには居場所がない

こんな感情をずっと抱えてきた

 

気の許せる友達がいない

本音を打ち明けられる人がいない

悩みを相談できる友達がいない

 

ある程度仲良くできる人はいる

ただ心のどこかで壁を作ってしまう

そんな関係しか作れなかった

 

一度親に相談したことがある

すると親もそんな友人はいないから大丈夫と流されてしまった

 

確かにぼくの両親も人付き合いが上手ではないと思う

子どものぼくから見てもなんとなくそんな感じはしていた

知り合いは少ないし、休日も一緒に過ごす友人も少ない

保護者会やPTAなどの親同士の付き合いを見ていると

子どもでもその優位関係は察することはできた

圧倒的にぼくの両親は疎外感があった

 

そんなことを感じ取ると学校での友達関係もうまく作れなかった

親の力が大きかったり、親同士が仲の良い人たちはすごく親しげにしていた

それが羨ましかった

その輪の中に入れない自分がいた

なぜだか自分は入ってはいけないのではないかと思っていた

 

「隠キャ」という言葉で片付けてしまえばそれまでだが

ぼくの中学、高校生活はこんな感じで幕を閉じた

正直不完全燃焼感は拭えなかった

 

大学では心機一転頑張ろうと思ったが結果は変わらなかった

友人のノリや距離感についていけず大学デビューも見事に失敗した

新入生歓迎会などのイベントには気後れし、どこにも参加できなかった

もちろん友達もほとんどできなかった

 

大学でも友達との距離感はわからなかった

みんなのノリについていけなかったり、バカになりきれずに場を白けさせてしまうことがあった

トークも面白くないらしく、ぼくに話を振ってくれる人やぼくの話を聞きたいと言われることはなくなった

挙げ句の果てには「つまらない」というレッテルすら貼られていたようで

よく馬鹿にされていた(のだと思う)

馬鹿にされているかどうかすらわからないくらい空気が読めなかった

ぼくの話で笑ってくれる人は誰もいなかった

 

人と話すことがとても怖くなったのもこの頃だった

何を言っても否定されるし、笑ってもらえない

でもその原因はぼくにあるのだから仕方ない

一生こんな状態が続くと思った

もう人生終了だと思っていた

 

そこからは無気力で大学に行き続けた

就職活動もテキトーにした

親が大企業指向が強かったこともあり大企業を受けた

それなりな企業からは内定がもらえて入社することになった

 

社会人こそはと意気込んでいたが結果は変わらなかった

やはり人との付き合い方がわからない距離感がわからない

社会人ともなると本音と建前を使い分けられる人が多いらしく

人間関係というものが余計にわからなくなった

 

中学高校から社会人になった今でも同じ失敗を繰り返してしまった

かれこれ10年以上ぼくには「居場所がない」

何がいけないのか自分でもわからない

というより自分だからわからないのかもしれない

 

素直とか真面目とか長所はあるよとか言ってもらえるけど

どれも素直に喜べない 懐疑的になってしまう

こんな自分に長所などあるわけがないと思っている

 

そんな悩みを抱いても相談できる人もいなく一人で抱え込んでパンクした

人間不信というより自分不信になった

自分の考え、感情、行動が全て信じられなかった

当然仕事に責任を持つことなどできなかった

暗黒期だったと思う

 

今は少し回復してきた

でもネガティブで人付き合いの苦手なぼくが治ったわけじゃない

この生きづらさを誰かのせいにしたい

そうすれば楽になると思った

 

親にぶつけてみた

正直八つ当たりだったかもしれない

今まで嫌だったこと それを言えなかったこと

申し訳ない気持ちや恥ずかしい気持ちはある

いい歳した大人がすべき行動でないことも理解している

でもそうしないと壊れてしまいそうなぼくがいた

 

親はただ聞いてくれた

一言「ごめん」と言ってくれた

そして親の話もしてくれた

なんでそういう振る舞いをしてしまったのか

理由にはなっていなかったが親なりの苦労を話してくれた

 

初めて人と話した気がした

ぼくは今まで自分を守るために見てくれのいい自分を作っていた

考えや思いも言わないことが多かった

自分の気持ちを人に伝えていなかったことに気づいた

 

だから周りの人も気持ちを教えてくれなかったのではないか

そう考えることにした

ぼくが歩み寄ろうとしていなかったから、周りの人も心を開いてくれなかったのだ

 

これからはもう少し自分を表現する努力をする

恥ずかしいことも少しづつ開示してぼくという人間を知ってもらえるように頑張る

 

正直かなり遅れたスタートだ

多くの人が高校生で経験するようなことを10年以上遅れて取り組み始める

でもやるしかない

 

一歩ずつ一歩ずつ